中世西洋音楽とグレゴリオ聖歌に魅せられて


 

中世西洋音楽

中世における音楽とは?

中世西洋音楽の魅力を知って欲しく、このサイトを立ち上げました。中世西洋音楽と聞いてピンと来ない人もいるかもしれません。まず初めに中世についてお話します。中世という時代はとても幅広い年代に渡っています。一般の世界史的には、4~5世紀から15世紀頃のルネサンス文化が始まるまでの約1千年を指します。その幕開けには、ローマ帝国の衰亡、キリスト教の国教公認、ゲルマン民族の大移動、と歴史の大きな転換期を迎え、「中世」とひとくくりに出来ないほどの多様な変化がありました。音楽の世界では、かなり早い時期の音楽もわかっていますが、音楽そのものが明らかになってくるのは9世紀頃からです。

中世西洋音楽について

中世西洋音楽とは、大体6~15世紀に作られた音楽の事をいい、クラシック音楽の分類の1つです。キリスト教の聖歌であるグレゴリオ聖歌以外にも、フランスではトルバドゥール(11世紀南フランスのプロヴァンス地方で、貴族出身の騎士道による音楽活動)やトルヴェール(12世紀頃北フランスで起こった騎士達の音楽活動)、ドイツではミンネゼンガー(又はミンネジンガー)(12世紀頃、フランスのトルバドゥールの影響を受けて、人間愛などを歌った吟遊詩人)と呼ばれる、音楽を奏でながら誌を吟じる人たちの世俗音楽があります。

中世西洋音楽と聖歌

中世では、教会が音楽の中心の場であったため、音楽といえば聖歌が大半でした。当初の世俗音楽は、文学や音楽の教育を受けていた騎士や貴族たちの作によるものでしたが、次第に、喉や音楽に才能のある人々が吟遊詩人や音楽職人として人気を得るようになっていきました。

中世期以前からの音楽

中世期以前は楽譜が存在しないため、どのような音楽だったのか明確ではありませんでしたが、9世紀頃、ネウマ譜(ネウマを用いた記譜法)が考案されたことにより、当時の音楽を楽譜として後世に語り継ぐことが可能となりました。初期の聖歌は、伴奏もなく節回しを付けただけで祈りの言葉を唱えるという形態のものでしたが、やがて、この聖歌に旋律が加わり、発展していきました。そして、7世紀頃には、初代ローマ教皇グレゴリウス1世の名にちなんだ、現在では、癒しの曲として人気がある「グレゴリオ聖歌」が確立します。9世紀頃になると、単旋律だった聖歌にハーモニーが加えられるようになります。12世紀後半には、フランスのパリ・シテ島にノートルダム大聖堂が建立されるとグレゴリオ聖歌は益々盛んになり、多くの作曲家たちが2声から3声、4声へとハーモニーを積み重ね、新しい形態の聖歌が誕生しました。しかし14世紀になると、ヨーロッパ中でのペスト大発生をはじめ、イギリスとフランスの間の百年戦争や宗教裁判、魔女狩りなど、中世時代にとっての困難な時期(暗黒の中世と呼ばれている時期)に突入し、やがて来る文芸復興・人間讃歌のルネサンスを迎えます。

中世西洋音楽の主な特徴

教会音楽=声楽が発展
当時の社会の頂点にあった教会を中心に、なによりも声楽が著しく創造、発展しました。
世俗音楽=吟遊詩人の活躍
教会外の一般民衆の間では、物語に節をつける「語り」=吟遊詩人が流行りました。
楽器について
楽器はオルガン、ハープ、リュート、フルート等があくまでも歌伴として使われた程度で、楽器と器楽演奏はこの後の15~6世紀以降に発展していきます。

中世西洋音楽の音楽史

古代ローマの芸術に関しては、主に古代ギリシアからの影響を受けたものが多く、音楽に限らず古代ローマ独自の芸術はあまり発展をしませんでした。しかしながらその一方で、古代ローマではキリスト教の誕生という極めて重要な出来事が起こりました。古代ギリシアに代わって地中海沿岸世界を支配したのは古代ローマです。紀元前750年ごろに建国された古代ローマは紀元前270年ごろにはイタリア半島を統一し、さらにポエニ戦争などによる領土拡大の結果、古代ギリシアをも征服してしまいました。紀元前27年にはカエサルの養子であったオクタヴィアヌスが皇帝アウグストゥスの称号を用いることにより古代ローマは帝政の時代に入り、1世紀末から2世紀末にかけての五賢帝の時代に帝国は最盛期を迎えることになりました。

中世西洋音楽の発展

中世の音楽史は、「グレゴリオ聖歌」の形成と発展を軸として展開していきます。一般的な世界史の時代区分では、中世の始まりをゲルマン民族の大移動が始まる4世紀の中ごろとしていますが、この時代の音楽がどのようなものであったのかについては、詳しくは分かっていません。ボエティウスにより古代の音楽観が中世に伝えられていることは分かりますが、実際の音楽がどのようなものであったのかが資料により分かってくるのは8世紀か9世紀ごろになってからです。そして、この資料こそが最古のグレゴリオ聖歌の手写本というわけです。初期キリスト教の典礼音楽において、古代ユダヤ教から受け継いだ典礼の形式などの音楽的遺産と、古代ギリシアの音楽理論や音楽観が合わさることにより、中世の音楽が形作られていったと考えられます。

神聖なる中性西洋音楽

神からの授かりものとは普通は神聖にして不可侵であるべきであり、人間が勝手に作り変えてよいものではないはずです。聖書を勝手に書き換えてしまったりはしないですよね。しかしながら、他の宗教においてもしばしば見られるように、経典に注釈を加えることや装飾を加えることは人間にも許される行為と考えられていたようです。グレゴリウス1世の肖像画には、教皇の耳元で鳩が何やらささやき、教皇はその内容を口述筆記させているものがあります。鳩は精霊を意味しており、神に選ばれた人間である教皇に神が精霊を通じて直接に聖歌を吹き込んでいることを意味しています。すなわち、実際にグレゴリオ聖歌が形成された歴史的なプロセスは別にして、宗教的な意味合いとしては、グレゴリオ聖歌は神から直接に授かったものであると当時の人々は考えていたということです。

中性西洋音楽の解釈

西洋音楽の歴史は、この神聖であるべきグレゴリオ聖歌に注釈や装飾を加えることによって発展をし始めたのです。この注釈・装飾のしかたの方法には大きく分けて2つあり、一つがトロープスと呼ばれるもので、もう一方がオルガヌムと呼ばれるものです。トロープスは8世紀ごろ、オルガヌムは9世紀ごろから始められていたようであり、グレゴリオ聖歌の形成と並行する形で、すでに聖歌の注釈が開始されていたと考えられています。

トロープスとは

トロープスとは、元となるグレゴリオ聖歌の前や曲の途中に新たな歌詞を挿入することを意味しています。最初は、グレゴリオ聖歌のメリスマ部分(歌詞の一つの音節に対して、装飾的に多数の音をあてた部分)において、一つ一つの音程ごとに元の歌詞を注釈する言葉が当てはめられることが行われました。やがて、既存の旋律に言葉を当てはめるだけでなく、旋律まで新たに作ったうえで元となるグレゴリオ聖歌に挿入するようになるに至っては、単なる注釈による装飾から作曲に限りなく近づいているといえるでしょう。こうしたトロープスのうち、アレルヤ唱の長大なメリスマ部分に歌詞をつけたものを、特にセクエンツィア(続唱)といいます。このセクエンツィアは、次第にアレルヤ唱から離れて独立した楽曲となり、セクエンツィアの「作曲家」を生み出すようになります。

トロープスの作者
トロープスの主たる作者としては、ザンクト・ガレン修道院には、グレゴリオ聖歌の成立していく時期に、トロープスやセクエンツィアに関する重要な役割を果たした2人の修道士がいました。アルプスの北方の修道院では、グレゴリオ聖歌が成立する過程と平行して、早くもグレゴリオ聖歌の改編が行われていたのです。主たる作曲者としてはザンクト・ガレン修道院のノトケル・バルブルス、最古の女性作曲家とも言うべきヒルデガルト・フォン・ビンゲン、「怒りの日」を作曲したトマス・デ・チェラーノといった人たちがあげられます。

中性西洋音楽と多声音楽

7世紀の教皇ヴィタリアンが教会にオルガンを持ち込むことを許した、という些細な出来事から多声音楽が一気に発展しました。されていましたが、聖歌が難しくなるにつれ聖歌隊への指導や歌の伴奏がどうしても必要になったのです。この時までは楽器は低俗なものとみなされ、教会内での演奏は禁止されていましたが、聖歌が難しくなるにつれ聖歌隊への指導や歌の伴奏がどうしても必要になったのです。仕方がなく教会に小さなオルガンが持ち込まれました。ある時、2列になっているオルガンの鍵盤を二人の奏者が、音を4度か5度離して弾いたところ素晴らしく美しい響きがしました。

コーラスの始まり
多声音楽=コーラスの始まりは、聖歌隊をすぐにつのグループに分け、オルガンの音にあわせて違う響きを同時に合わせる事に始まります。それまでは全員が同じ旋律を歌うだけの単声音楽しかなかったのです。これをオルガヌムといいます。
平行(自由)オルガヌム
9世紀には平行(自由)オルガヌムが登場します。3度、4度、5度、オクターブ等に声部が広がり、主旋律に対して逆方向へ動かしたりする声部も考えだされました。このことは当時としては大変画期的な発見でしたが、今は和声の勉強のごく初歩的な基礎のひとつです。
対位法
これは2つ以上の声部が動く時の規則を定めたもので、この発明がなければ、現在私たちが聴いている曲の大部分は生まれなかったでしょう。中世時代には特別偉大な音楽家は、一般的には知られていません。しかし、この時代の優れた教皇、指導者達の理論は、次世代以降の天才作曲家達への土台作りになりました。

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